18.気付き

その後、私は璃子と出会った意味を考えました。 自己の心と向き合う内観の日々が続きました。 そしてある考えに至ります。   実は、彼女は私を救うために現れたのではないか、と。 救いの女神ではないか、と。 彼女を救…

17.諦め

この頃を境に、結婚願望が無くなってしまいました。   もともと、家庭を持って、いろんなものに がんじがらめになる意味がよくわからないと思っていましたが、 それでも、世間並の平凡な暮らしをしてみたいという気持ちが…

16.別れ

現実の恋愛に本気になれないのは、 あくまでも私自身に原因があったのだと思います。 すなわち、それを本心では望んでいなかったということです。   望んでもいないものが現実化するわけはありません。 仮に願いがかなっ…

15.迷いの日々

まだ肌寒い、ある春の夕暮れ。 飲み会で出会った彼女と初めて食事をします。   この前会ったときと違い、 この日の彼女は物静かでした。 意外にも、客以外の男とプライベート出歩くのは 久しぶりのとのことでした。 &…

14.嵐を呼ぶ女

前回も書きましたが、 その人との出会いは全くの偶然でした。   ある春先の飲み会の二次会。 私は仕事関係の先輩たちと、あるキャバクラにいました。   私は幹事役を仰せつかっており、 飲み会の財布の紐を…

13.璃子

私の内なる女との不思議な関係は徐々に深まっていきました。 といっても、現実には決して彼女に出会うことはできません。 鏡の前で彼女に成りきり、彼女の心の声に耳を傾けることが、 彼女を感じる唯一の方法でした。   …

12.内なる女に魅せられて

そのときの女装は、今にして思うと、 それほどレベルが高いものではありませんでした。   アイメークも適当だったし、 口元もうっすら青いままでした。 それに、ワキの毛も処理していませんでした。   それ…

11.内なる女との出会い

前回、夢に出てきた女のことを書きましたが、 彼女が再び現れたのでした。   眠りの淵は冥府の入り口。 ある夜、私は夢とも現実ともいいがたいところに私は居ました。   彼女は、月の光に白い顔を照らされな…

10.甘美な夢

ある日の夜、不思議な夢を見ました。   私は真っ暗闇の中にいました。 でも、不思議と恐怖感はありません。   何か暖かくて柔らかい粘膜のようなものに包まれている感じ。 例えて言うなら、母の子宮の優しい…

9.なぜ愛する人を求める?

この頃の私の心境は複雑でした。 上手くいかない婚活を辞めてしまおうかと思う一方、 誰かがなんとなく恋しい。そんな日々でした。   愛に対する諦めと渇望の間で揺れ動いていました。   その当時の様子を次…