虚無の淵にて

今日は昔話を少々。

前回は奇門遁甲による開運法についてお話しましたが、

その方法を試し始めた頃のことです。

 

私は30代後半になっていましたが、

ある事情により、これまで積み上げて来たものを

自ら放り出さなければなりませんでした。

 

災難が過ぎ、最も苦しい時期は過ぎると、

これまで張り詰めていた気持ちがゆるみ、

拭いがたい喪失感がこみ上げていました。

 

これから、何を心の支えにしていきてゆこうか?

私は途方に暮れていました。

 

いっそうのこと、どこかに引きこもり、

誰とも会わずに、隠れるように余生を過ごしたい。

そのように考えていました。

 

今から考えると、柄にもないことだと思いますが、

勤め先を辞めて、FXのデイトレーダーをしながら、

静かに生きてゆこうと本気で思っていました。

 

私は投資の勉強をしていました。

きちんとチャートの分析をしてリスク回避できれば、

継続的に利益を出せるようになると信じていたからです。

 

私は、投資関連の本や、

トレーディングで成功している人のブログを

読みあさっていました。

 

そんな中で、日々のトレードでの

メンタルの重要性を説く人たちがいることを知りました。

 

もともと私は心理学やメンタルトレーニングは

嫌いな方ではなかったので、

その手の話を楽しみながら読んでいました。

 

中村天風の「心身統一法」や、

ヘイル・ドゥオスキンの「セドナ・メソッド」や、

「引き寄せの法則」や「潜在意識」については、

投資の勝ち方の研究の中で知りました。

 

結局、投資はどこまで行っても

確立のゲーム(=ギャンブル)だと分り、

生計の手段とすることはあきらめてしまいましたが、

スピリチュアル的な気づきへの旅は、

ここがスタートでした。

 

そういう意味では、投資をやろうと思ったことは、

まったく無意味でもなかったかもしれません。

 

私の関心は、いつしか、投資の勉強よりも、

自分の魂の声に耳を傾けることに向いていました。

 

この後、しばらく自分自身と向き合う日々が

続くことになります。

そして、私はあることに気付きます。

 

その気付きについては、次回お話したいと思います。

クロスドレッサー、自己探求家。 趣味で小説も書いています。 最近は、仏教と現代物理学の関連について研究しています。

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