私は男としての生きることに限界を感じていました。
弱いところは見せられない、変な恰好をつけなければならない。
そんな生き方はもう嫌でした。
今は、そんな人生からは「いちぬけた」といって、
早く足を洗うべきだと思っています。
そう思えるようになって心が随分軽くなりました。
これは璃子のおかげ。
彼女を取り戻したことで、私の心は救われつつありました。
そして、ある思いが湧き上がってきました。
彼女を取り戻す日々のことを物語にしてみたい。
自分自身が「女神」へと覚醒した道のりを表現してみたい。
そこで、以前からの夢であった、小説の執筆を始めました。
この小説は誰かに見せることは予定していませんでした。
しいて言えば、未来の自分自身が読者かなと思っていました。
随分自由奔放に書いていました。
時には、仕事が忙しくて書けない日々が続きました。
それでも、一日10分でも20分でも作品に向き合いました。
そして、約10か月を費やして、その小説は完成しました。
結果的に12万字ほどの長編作品になっていました。
いずれ機会がありましたら、公開するかもしれません。
職業的に文芸作品を書いたわけではありませんが、
今振り返ると、苦しくも、楽しく充実した日々でした。
作品を描いていると、
私が作り上げた登場人物たちが、自らの意思で
活き活きと動き回るような感覚がありました。
物語の世界は、まぎれもなく、私が創りだしたもの。
世界を創造するとはこういうことかと思いました。
そして、現実世界が、物語となんとなくシンクロしているような
気がしていました。
村上春樹の『1Q84』で
小説に書いたことが現実化するという話がありました。
それは、あながちない話ではないと思います。
ある日、私は一つのアイデアを思いつきます。
「自分の思い描く理想を物語にすれば、
もしかしたら、実現するのではないか?」と。
私は、ただちに物語の構成を変えて、
私の夢が詰まったシーンを物語に挿入しました。
スピリチュアルや潜在意識の世界では、
「どうなりたいか」や「何がほしいか」を
「決める」ことが重要だと言います。
私が作品づくりでしたことは、
この「決める」ことにあたるのではないかと思います。
今のところ、私が描いた理想は
まだ、現実化していません。
でも、いつか実現することを
楽しみに待っています。